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間奏 -赤い荒野-①

そこは一面赤色の景色だった。

未来永劫、これほどの光景を目の当たりにする事はないだろう。





人々は、餓え、狂気と病魔に冒された時代

気の遠くなる旅路を進んでいた。




道行く先には兵士たちの死体の山が見える。

いや、今まで通った道にも同じようなものを見てきた。

死んだ自分の子供をあやし続ける母親。

死体から持ち物を攫う老人。

血と泥で濁った井戸の水を美味しそうにに飲み干す少女。

そんな中道なき道をひたすら進んだ。


昼も夜も、この目的を果たすために。


あたりが暗くなってもひたすら歩く。

歩く。

歩く。

歩く。

ガッ!


小山につまづきよろめくが気にしない。

明かりなんて持っていないので、星明りをだけを頼りに

進む。




これまで通った道だって同じようなものだった。



道なんてのは名ばかりで

ところどころ穴ぼこや岩だらけだった。

小山だらけだった。

歩く。歩く。つまづく。歩く。


よろめく。歩く。歩く。歩く。

ヨロメク、ツマヅク、アルク、アルク、アルク。


なんど足をとられただろうか。

いいかげん、イライラしてきた。

休みなしで歩き続けたせいで、心も体も疲弊しきっていた。


ガスッ!!

近くの小山になってるものを蹴る。

思いのほか重い。

少しスッした。

物に当たるのは好きではないがやってみると。


存外スッキリするものなのだ。


気分が回復したところで、その小山を背に久しぶりの休憩をとる。


とりだしたタバコは今となって手に入り難い貴重品だ。

シュボッ。

一面の暗黒世界に一つの光が灯る。

紫煙は、光の周りをウロウロしていた。

ゆっくりうなだれる。

体を休めると、歩いている間は考えない事を考えてしまう。


この旅を始めて、一体幾日経過したのだろう。

何ももたず、いや正確には持ってないと言う事実を持って

旅を始めて。

原初の目的を考えた。

ぐるぐる考えが一巡する。

堂堂巡りだ。答えなんていらないのだから。



そんなことを考えていた。


頭を振る。

そんなことを考えたって意味がない。

この旅は、続けているこそ意味があるのだから。




空が少しづつ白ばんできた。

今日もまた一日が始まる。


そしてまた歩き続ける。

背にした死体の小山を一瞥して

今日の旅が始まる。








感覚の麻痺。それが普通。至極正常な光景となって幾星霜。


まだ旅は終らない。


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