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探索

短編紹介。

ある鉱物発掘者の話。



近代、鉱物発掘は主にチームで行う。
鉱物発掘には組織が確立されてるのが主体である。
企業の一部に部署があったり、下請けの業者チームが発掘作業を行うのが大半を占める。


が、1部には企業やチームの提携を好まず
単独で鉱山に潜る者がいる。

そんな一人の男の話。

彼は決して鉱物発掘に才能があったわけではない。
彼の発掘成果・成績を見ると発掘者としては、むしろ凡人、もしくはそれ以下の才能しかないように思えた。


それは探索から発掘作業、鑑定、探索日程のスケジューリング、道具調達等
数多の雑務を全てを一人で行う彼のスタンスは
収益に見合う成果が得られなかったからである。

無駄の時間が多すぎる。



そしてもう一つ 彼には癖があった。
宝石を選ぶのだ。
それも極端なまでに。


現代、ジュエリーショップには様々な鉱物系の宝石がある。

トルコ石、クリソコラ、タイガーズアイ(虎目石)
水晶、トルマリン、カーネリアン(紅玉髄)
杉石(スギライト)マラカイト(孔雀石)、紅水晶(ローズクォーツ)、黒曜石(スノーフレークオブシディアン)、ルビー(鋼玉)、アメジスト(紫水晶)、青玉髄(ブルーレース)、ラピスラズリ(瑠璃)・・・


たくさんの種類の宝石がある。



彼が発掘する鉱物はダイヤだけだった。
求めたのはそれだけだった。


仮に同じ鉱山にいくつかの種類があったとして、
例え10カラットのサファイヤが転がっていたとしても
彼は見向きもしなかった。

興味を持てなかった。

ダイヤ以外に価値を見出せなかった。


なぜダイヤにそこまで執着するのか。
至極単純な理由であった。

親の形見でも、幼き日のドラマティックなエピソードがあったわけでもない。

言ってしまえばただの好み。

同じ宝石でもダイヤ以外に魅力を感じなかった。
ダイヤだけに、ガムシャラになれるほど魅力を感じた。


ただそれだけのこと。


来る日も来る日も掘り続けた。


大雨が続いた日なんかは、地盤がゆるみ
掘り進めたトンネルが崩れて生き埋めになりかけた
こともあった。
単独で発掘を行っているが故
それはまさに生死をかけたものである。

時には、300mもぐった所でカンテラの燃料が切れ
暗闇の中を、行きの何十倍もかけて這い上がった事もあった。


なぜチームを組まないのか。

彼は自分のダイヤ収集に向ける執着が
他者の理解が得られないことは分かっていた。

チームを組めば、おのずと対立が生じる。

彼は、その時間を無駄とし
そんな暇があれば ダイヤを発掘したかったのである。



もうちょっとだけ続くんじゃ
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